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ISO9001(QMS)が2015年9月に改訂され、これに伴いJIS版も2015年11月20日に発行されました。3年以内に新規格へと移行することが必要になり、2015年度版への移行期間はISOの発行日が起点となるので、2018年9月14日までとなります。なお、移行審査の受審期限は遅くとも3か月前の2018年6月18日です。
改訂されたISO9001:2015は、規格の構成が大きく変化しています。加えてさらにリーダーシップの実証や戦略的な方針の策定、リスクマネジメントの実施などがより明確になりました。マネジメントシステム共通の仕組みが作られたことにより、マネジメントシステムに共通して求められる枠組みや、章の構成が整備されたことによります。これにより、複数のマネジメントシステム(ISO14001.ISO27001)を認証している企業の場合、システム統合が容易となり効率的なマネジメントを実現することができるようになりました。
新しいISOの規格を理解する際に最も重要な概念は「プロセスアプローチ」です。組織の活動は個々のプロセス(各々が担当する様々な業務)が相互に影響しあうことにより成り立つと理解できます。つまりこのプロセス活動は、マネジメントシステムとリスクベースの戦略的思考が組み込まれることによりその活動が最適化されていることが必要です。プロセスは、役割を目標通りに達成することが求められます。狙い通りの結果が得られない場合に、そのプロセスの内在または外部から影響される原因のリスクと捉えて経営方針を基に対策を実行することが「プロセスアプローチ」と考えることができます。
当社ではISO9001:2015の規格改訂でお悩みのお客様に対して改訂支援サービスをおこなっています。パッケージのように全てのお客様に対して同一のサービスではなく、お客様が必要なサービスのみを提供する形としています。下記サービスメニューがありますが、自社で対応が難しいもののみを支援させていただきますのでご相談ください。
・現状のISO9001文書と新規格(ISO9001:2015)とのGAP分析
・ISO9001:2015に準拠した形式での規程改訂・帳票様式改訂
・規格改訂による運用ルール変更のご説明
・従業員向け教育
・内部監査員教育・内部監査代行
・マネジメントレビュー実施支援
・審査機関による移行審査対応支援
規格改訂スケジュール
規格改訂の際の移行の審査時期を決めます。タイミングとしては定期審査(更新審査)の時の受審がベストです。余裕を持って2017年度には移行することをお勧めします。
また、2008年度版から2015年度版がどのように改訂されたのか内容理解をし、新要求事項への対応の考案が必要です。新たな要求事項の具体的な内容は
1.内部と外部の課題を整理し(4.1)利害関係者の必要性と期待部分を理解し(4.2)適用範囲を見直す(4.3)
2.QMSの意図した成果の達成ができなくなるリスクと達成の為機会を整理し、リスクと機会への取り組みを検討する(6.1)
新規格では事業プロセスとISO活動の一体化を要求しているので、ISOだけの為にやっている活動、また空洞化してしまった内容の活動がないかを見直します。
ISO9001:2015規格要求事項に準拠して、品質マニュアルや各種手順書を改訂します。
※2015年度版では、品質マニュアル作成の要求事項がなくなったので、新規格での要求事項が満たされていれば廃止することは可能です。
また、ISO9001:2015に対応した教育を行います。
■品質方針、品質目標の周知
■新規要求事項の周知
■改訂文書について
■運用ルールの変更内容の説明
新規格に移行する為には、2015年版での運用実績が必要です。ですから、内部監査も2015年版に準拠して行います。そのために2015年版で認定された内部監査員を養成します。規格改訂前までの2008年版で認定された内部監査員は2015年版の内部監査を行うことはできません。
また、通常の内部監査に加えて以下の内容が必要となります。
■新規格ISO9001:2015年版の要求事項に適合しているか
■内部・外部の課題、利害関係者の必要性と期待部分を特定できているか
■リスクと機会の特定及びその取組ができているか
■パフォーマンス評価を行えているか
通常のマネジメントレビューに加えて以下の内容更新が必要です。
■内部・外部の課題(4.1)
■利害関係者のニーズ及び期待の理解(4.2)
■品質マネジメントシステム適用範囲の決定(4.3)
■リスク及び機会への取組み(6.1)
一般的なプロジェクトの流れ