スポーツを楽しむ
こんにちは。代表の山手です。今日はスポーツについてのお話です。
今年はプロ野球選手名鑑を3冊も買ってしまいました。
中でも日本スポーツ企画出版社の名鑑はデータが充実していて素晴らしい。
マネーボールでセイバーメトリクスという手法が話題になりましたね。
例えば、OPS、出塁率(出塁数/打席数)と長打率(塁打数/打数)の和です。打者の能力が最も反映されたKPIだと言われています。1.000を超えると最強の打者です。投手における同様の指標はWHIPです。1イニングに許した出塁数(被安打と四死球の和)で、1.00を下回ると最高の投手と言われています。
広島の丸選手を例に、掲載されているデータの一部データを紹介してみます。
※カッコ内はリーグ平均
ボール球スイング率:.144(.286)、BABIP:.345(.307)、P/PA:4.11(3.89)、ISO:.181(.127)、OPS対左:.752、OPS対右:.999 、OPS合計:.910
この他ゾーン別の成績、打球方向の分布、守備力(UZR)も掲載されています。
知らなかった指標もあります。BABIPはホームラン、三振、四死球を除いた場合の打率で打者の運の良さを表しています。丸選手の場合はBABIPが平均を大きく上回っているので、昨季はかなり運に助けられたということが分かります。
この他、P/PAは1打席あたりの球数、ISOは長打率から打率を引いた数字で純粋な長打力を表しています。
丸選手の特徴。ボール球を振らないことで投手に球数を投げさせ、四球による出塁も多い。このためOPSはかなり高いレベルです。特に右投手に強くOPSがほぼ1です。苦手なコースが少なく広角に打ち分ける技術も持っています。昨季は素晴らしい数字を残したのですが、BABIPが高いことから、この成績がフロックである可能性もあります。守備についてはまだまだ課題があります。
名鑑の話が少し長くなりましたが、観る側としてスポーツを楽しむことについて考えてみたいと思います。要素は3つあります。
・情報やデータを楽しむ
・歴史やストーリーを楽しむ
・ゲームを楽しむ
<情報やデータを楽しむ>
野球の話だと、例えばツーシームはどんな動きをする球種なのかとか、ダルビッシュの持ち球に何があって、ストレートの平均球速はどのくらいなのか、とか。その上で、先ほど紹介したようなデータの意味を理解したり、読み解いたり、知識として蓄積する。これらは全て、「歴史やストーリーを楽しむ」「ゲームを楽しむ」の土台となります。日本は馬鹿なマスコミの影響で、情報やデータを楽しむファンが少ないようにも感じます。
<歴史やストーリーを楽しむ>
再び野球の話になりますが、今季は広島が24年ぶりに優勝することになりますが、球団の歴史や24年間の苦節を知った上で、この感動を味わうのが格別なわけです。また、テニスだと錦織選手が最近注目されていますが、ジュニアの時代から観ている人と、最近見始めた人とは、感じ方が全く違うのだと思います。
スポーツの歴史、応援するチームの歴史、選手一人一人の物語を知ることで楽しみの質が全然変わってくるのです。
<ゲームを楽しむ>
アスリートの動きの素晴らしさを楽しんだり、戦術を楽しんだり、応援しているチームの勝利に感動したり、まさに、スポーツ観戦の醍醐味です。例えばサッカーの得点シーン。得点の前の(一見退屈に感じられる)攻防が、得点の伏線になっていますし、そういう時間帯があってこそ、感動が大きくなるのです。
以上のように、スポーツを楽しむには、知性、忍耐、感受性が必要になります。
スポーツを楽しむ姿勢は、ビジネスにも繋がっているように感じています。
先ほど挙げた3つの要素ごとに考えてみます。
<情報やデータを楽しむ>
自らに与えられた役割を実行するために必要な知識を備えることが重要です。その上で、ビジネス活動において発生した情報をデータとして整理し、KPIに落とし込み、モニタリングすることも必要になります。当社ではSFAを導入したのですが、まさにこの観点です。
<歴史やストーリーを楽しむ>
データだけでは人は動かないわけで、ストーリー、魂、メッセージが必要になります。我々はなぜここで働いているのか、なぜお客様は我々からサービスを受ける必要があるか、こういうことも考えないといけませんね。
<ゲームを楽しむ>
日々この瞬間において、パフォーマンスを最大にすること。顧客と対面している時、プレゼンをしている時、資料を作成している時、それぞれの瞬間で価値を生み出すために努力を継続することが大切です。
最後は若干こじつけのようになりましたが、いよいよスポーツの春です。